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Apex で負ける原因のうち、撃ち合いの腕とは別の場所にあるものが「気づけなかった」です。裏取りに気づかない、上の階の敵に気づかない、遠くの銃声の方向を取り違える。この手のミスはエイムをどれだけ練習しても減りません。
やっかいなのは、足音が聞こえない理由が 1 つではないことです。デバイスの問題だと思って買い替えたのに変わらなかった、という話はよく出ます。原因はゲーム内設定・出力デバイス・接続方式の 3 つに分かれていて、順番に潰すのが早い。
この記事は使用記ではなく、仕組みから音響環境を選ぶためのガイドとして書きます。
先に結論:買う前に、設定で戻る音がある
デバイスを選ぶ前に確認したいのが 3 点です。ここで直る人が一定数います。
- ゲーム内のサウンド設定 — 効果音の音量に対して BGM やボイスが大きいと、足音は最初にかき消されます
- Windows 側の空間オーディオ処理 — 二重に空間処理がかかると、方向が逆に曖昧になることがあります
- 接続方式 — Bluetooth 接続は音を圧縮して送るため、細かい環境音が落ちます
そのうえでデバイスを選ぶなら、選択肢は 3 方式です。
- ゲーミングヘッドセット — 装着位置が安定し、定位が崩れにくい。実売 5,000〜30,000 円
- ゲーミングイヤホン — 軽く、長時間でも疲れにくい。低音は控えめになりがち。実売 3,000〜20,000 円
- スピーカー — 疲労は最も少ないが、前後の判別が苦手。実売 8,000〜40,000 円
競技的に足音を取りに行くなら有線のヘッドセットが本命です。理由は音質そのものより、耳との位置関係が毎回同じになること。定位の判断は「左右でどれだけ音量と到達時間が違うか」を脳が学習した結果なので、装着位置がずれるデバイスほど学習が積み上がりません。

足音が聞こえない仕組みの話
1. 音量バランス:足音は「小さい音」に分類されている
Apex の足音は、銃声や爆発に比べてかなり小さい音として鳴ります。全体の音量を上げると、足音も上がりますが銃声はもっと上がる。結果として撃ち合いの直後は耳が回復するまで足音が埋もれます。
実用的な対処は、全体音量を上げることではなく、BGM を絞って効果音の相対比を上げる方向です。プロ配信でも BGM をゼロにしている人が多いのは、好みの問題だけではありません。
2. 定位:前後の判別がいちばん難しい
左右の判別は、左右の耳に届く音量差でかなり正確に出ます。難しいのは前後と上下で、これは耳たぶの形が作る音の変化を脳が読んでいます。ヘッドホンはこの手がかりが弱くなるため、バーチャルサラウンド処理で補う製品があります。
プロは「ステレオのほうが正確」と言うことが多い一方、上下の階層があるマップでは処理を入れたほうが取りやすいという声もあります。自分のランク帯で優先すべきは、まず左右と距離感を安定させること。上下の判別は、慣れてから詰めても遅くありません。切り替えて 2〜3 日ずつ試し、どちらが自分に合うかを見るのが現実的です。
3. 接続方式:無線は「遅延」より「圧縮」が問題
ワイヤレスの遅延は、専用の 2.4GHz ドングルを使う製品ならほぼ気になりません。問題になりやすいのは Bluetooth 接続のほうで、データを圧縮して送る過程で小さい音の情報が削られます。音楽用のイヤホンをゲームに流用したときに足音が遠く感じるのは、多くがこの理由です。
ノイズキャンセリング機能つきのイヤホンを流用する場合の注意点は、ノイズキャンセリングイヤホンの比較記事で整理しています。
選び方の判断軸
開放型か密閉型か
- 密閉型 — 外の音が入らず、音が耳元に集まる。集中しやすいが、長時間で蒸れる
- 開放型 — 音場が広く、距離感がつかみやすい。周囲の音が入るので静かな部屋向け
同居人がいる環境や、家族の呼びかけに反応する必要がある人は密閉型を選びにくい場面があります。逆に一人で集中できる環境なら、開放型のほうが遠くの銃声の方向を取りやすいと感じる人が多いです。
装着圧と重量
ランクを回すと 2〜3 時間は連続します。側圧が強い製品はこめかみが痛くなり、それだけで判断が鈍ります。重量の目安は300g を超えると長時間はきつくなるあたり。メガネをかける人は、イヤーパッドが柔らかい製品を選ぶと当たりが軽くなります。
マイクをどうするか
パーティで話すならヘッドセット内蔵で足ります。音質を求めて単体マイクに移す判断基準は、ゲーミングマイクの比較記事にまとめています。イヤホン派は、マイク付きケーブルか単体マイクのどちらかを別に用意することになります。
アンプを足すかどうか
1 万円台までのヘッドセットなら、USB 接続でそのまま鳴らして問題ありません。アンプが効いてくるのは、インピーダンスの高いヘッドホンを使う場合や、音量を上げたときのノイズが気になる場合です。詳細はDAC・アンプの比較記事にあります。

予算帯ごとのおすすめ
本命:有線の密閉型ゲーミングヘッドセット(実売 8,000〜15,000 円)
最初の 1 台としてはここが安定します。この帯なら定位に必要な素性は足りていて、これ以上の価格差は装着感と作りの良さに向かいます。選ぶときは、重量が 300g 前後に収まっているかと、イヤーパッドが交換できるかを見ておくと長く使えます。
条件つき:有線イヤホン(実売 3,000〜10,000 円)
頭が締めつけられるのが苦手な人、夏場の蒸れがつらい人向け。耳に直接入るぶん小さい音の解像度は悪くありません。弱点は低音の量感が落ちることと、装着の深さが日によって変わると定位も変わること。イヤーピースのサイズを合わせておくと安定します。
条件つき:ワイヤレス(2.4GHz ドングル方式)
ケーブルの取り回しが煩わしい人向け。ドングル方式なら遅延はほぼ問題になりません。注意点は重量が有線より 50〜100g 増えがちなことと、バッテリー切れが試合中に来ることです。Bluetooth のみの製品は、前述の圧縮の問題があるため競技用途では選びにくい。
個性派:スピーカー+サブウーファー
耳への負担がゼロという点だけは他方式が敵いません。カジュアルに遊ぶ日、長時間の作業と兼用したい人には現実的な選択です。前後の判別が苦手なので、ランクを詰める日はヘッドセットに戻す使い分けが無難です。構成はゲーミングスピーカーの比較記事を参考にどうぞ。
よくある質問
Q. 高いヘッドセットに変えれば足音は聞こえるようになりますか?
価格と足音の聞き取りやすさは、ある帯から先で比例しなくなります。1 万円前後までは素直に効きますが、そこから上は装着感・マイク品質・作りの良さに費用が向かいます。設定と接続方式を先に見直すほうが、同じ費用で変化が大きいことが多いです。
Q. バーチャルサラウンドはオンにすべきですか?
意見が割れる部分です。ステレオのほうが左右と距離が素直に出る一方、階層のあるマップでは上下の判別に効くという声もあります。両方を数日ずつ試し、自分が「どこから撃たれたか分かった回数」で判断するのが確実です。二重に空間処理をかけないよう、ゲーム側と OS 側のどちらか一方に絞ってください。
Q. イコライザで足音の帯域を上げるのは有効ですか?
中高域を持ち上げると足音が前に出て聞こえることはあります。ただし銃声や爆発も同じ帯域を含むため、上げすぎると撃ち合い中の音がうるさくなり、かえって疲れます。効かせるとしても控えめにして、長時間で耳が疲れないかを基準に調整するのが無難です。
Q. PAD(家庭用機)でも同じ考え方でいいですか?
基本は同じです。ただし本体のオーディオ出力仕様によって使える接続方式が変わるため、購入前にUSB 接続に対応しているか、コントローラーの端子経由になるかを確認しておくと失敗しません。コントローラー端子経由の場合、音量の上限が低めに設定されていることがあります。
まとめ
足音対策は、①ゲーム内の音量バランス ②接続方式(圧縮の有無) ③デバイスの装着安定性の順に見ると、費用対効果の高い順に潰せます。買い替えは最後で構いません。
まだ判断がついていないのは、近年の空間オーディオ処理がアップデートでどこまで変わるかという点です。同じ設定でも、パッチの前後で聞こえ方が変わったという報告は毎シーズン出ます。シーズンが変わったあたりで、あらためて設定を見直したいところです。
まずは BGM を絞って、Bluetooth をやめる。そこまでで変化がなければ、デバイスの出番です。
画像出典
- apex-footstep-audio-2026-1.jpg: Photo by Simone Cisale on Pexels
- apex-footstep-audio-2026-2.jpg: Photo by Andrey Matveev on Pexels

